2017年に大きく値上がりし話題になったビットコイン。
この記事では、「ビットコインとは何か?」を正しく知りたい人向けに、まずは身近にある日本円とビットコインの違いの中で、これだけは知っておきたい!というポイントを紹介します。
ビットコインとは
ビットコイン(Bitcoin)とは、「サトシ ナカモト」と名乗る人物が2008年にネットで公開した論文
をもとに作成された「仮想通貨(Cryptocurrency)」です。
「通貨」や「コイン」という言葉から分かるように、ビットコインは「お金」の一種と考えることができますが、「仮想」という言葉から分かるように、普段私たちが使っている日本円のように通貨や紙幣のような実物がなく、例外なく全てのお金がコンピュータ上で管理されています。
ネットではビットコインのレプリカが売られたりもしますが、これらは全てレプリカであり、お金としてのビットコインとは全く関係の無いものです。
それでは、ビットコインと日本円は具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
これだけは知っておきたいポイントをまとめました。
通貨の単位はBTC
ビットコインはお金なので、円やドルのような通貨単位が存在します。
ビットコインには、「BTC(ビーティーシー)」という通貨単位があり、1BTC、10BTC、100BTCのように数えることができます。
2018年2月現在では、1BTC=約110万円でした。
1BTCが非常に大きな金額となっているため、0.1BTC、0.01BTC、0.01BTCのように小数で数えるのが普通です。
最小単位は、0.00000001BTC(1BTCが100万円であれば、約0.01円)ですが、この最小単位のことをビットコインの発明者であるサトシナカモト氏の名前に由来して「1サトシ(Satoshi)」とも呼びます。
日本円も昔は、円よりも小さな単位で、1銭や1厘の単位を使っていましたし、アメリカにはドルの小さな単位でセントがあることをイメージしたら分かりやすいと思います。
1ドル=100セント → 日本円に換算すると、約110円
1BTC=100,000,000サトシ → 日本円に換算すると、約110万円
お金の管理主体がいない
日本円やアメリカドルなどの「法定通貨(Legal Tender/ Legal Currency)」は、中央銀行などの政府機関が責任を持ってお金を管理しています。
日本円の場合は、「日本銀行(Bank of Japan)が、日本円の発行から流通を管理しており、このような中央の責任者が一元管理する仕組みのことを「中央集権型システム(Centralized System)」と言います。
これに対して、ビットコインの場合は、日本銀行のようなお金をコントロールする中央機関が存在しないことが大きな特徴です。
ではどのようにお金が管理されているのでしょうか?
ビットコインでは、ビットコインを売買する世界中の人たちがお互いの取引を協力して確認しあうことでビットコインを管理しています。
このような、中央機関が存在せずに、参加者がお互いに協力して管理されているビットコインのような仕組みを「非中央集権型システム(Decentralized System)」と言います。
偽札などの不正対策はコンピュータ技術を利用
お金を正しく流通するためには、不正の対策がとても重要です。
日本円の場合、中央管理者である日本銀行が、不正の対策をしており、偽造されないための、特殊な印刷技術(すかし、ホログラム、マイクロ文字など)が導入されています。
日本銀行がこのような対策をしていても、偽札(Counterfeit Note)の問題は後を絶たず、偽札防止の印刷技術と偽札作りの技術はいたちごっこの状況です。
一方で、ビットコインの場合は、実物の紙幣や硬貨がなく、物理的に偽造をすることはできません。
ビットコインは全ての通貨がコンピュータで管理されているため、コンピュータ上で偽造されたり不正利用されたりしないように、コンピュータプログラムの技術(ブロックチェーン、暗号化など)を導入しています。
ビットコインが革命的で言われている点の一つが、このブロックチェーン技術(Blockchain)と暗号化(Encryption)を組み合わせることで、不正利用ができない通貨システムを確立した点にあります。
偽造犯罪とのいたちごっこが続いている日本円とは異なり、ビットコインは2009年の運用開始以来、一度も偽造や不正利用の問題が起きていません。
代わりにビットコインでは、マウントゴックスやコインチェックなどの仮想通貨取引所(日本円で言うと、みずほ銀行や三菱UFJ銀行などをイメージしてください)で、盗難などの様々な問題が起きており注意が必要です。
ビットコインは法定通貨ではないが、法定手段に準ずる支払手段である仮想通貨
ビットコインは「お金」の一種と書きましたが、日本の法律上の定義ではビットコインは「通貨」ではありません。
2014年2月の政府に対する「ビットコインに関する質問主意書」に対する答弁では、
ビットコインは通貨に該当しない
(出典)ビットコインに関する質問主意書
との見解が示されました。
日本円などの法定通貨は、強制運用力(日本国内の日常の買い物などで強制的に支払いに使うことができること)がある一方で、法定通貨ではないビットコインには、強制運用力がありません。
ネットショップや、ビックカメラのリアルの店舗などで、ビットコインでの支払いが可能な場合も増えていますがあくまで一部に限られており、日本国内どこでもビットコインが使えるというわけではありません。
一方で、2017年4月に施行された「改正資金決済法」においては、ビットコインなどの仮想通貨を、円やドルなどの法定通貨に準ずる支払い手段の一つであることを認め、仮想通貨取引所の金融庁への登録が義務付けられました。
つまり現時点の日本の解釈では、ビットコインは法律的には通貨ではないが、資金決済としては通貨に準ずるものと解釈しているものと考えられます。
まとめ
最後にまとめると、ビットコインと日本円は以下の違いがあります。ビットコインを正しく理解して利用しましょう。
日本円 | ビットコイン | |
通貨の性格 | 法定通貨 | 仮想通貨 |
通貨の形態 | 現物の紙幣や硬化がある | コンピュータ上の仮想通貨 |
通貨の単位 | 円(昔は、銭や厘の単位も利用) | BTC(最小単位は、Satoshi)
|
管理主体 | 日本銀行 | なし |
不正利用の対策 | 特殊印刷技術等(例.すかしやホログラム) | コンピュータ技術(ブロックチェーンや暗号化等) |
強制運用力 | あり | なし |