ダッシュ(DASH)

【徹底解説】仮想通貨ダッシュ(DASH)は超高速な匿名コイン

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(引用:DASH公式サイト)

 

仮想通貨を現実の取引に活用しようという取り組みが進んでいます。

日本ではビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店の動きに注目が集まっていますが、小さな店舗でも仮想通貨を使えるようにするという動きが広まっているのです。

しかし、この動きを進めていくうえで頭が痛いのがビットコイン(Bitcoin)の承認時間。

Bitcoinの承認時間は10分かかるため、少額決済には向かないという意見が大半を占めています。

そこで注目されているのがダッシュ(DASH)です。

ダッシュは承認時間がなんと4秒以下と非常に早いため、自動販売機などにも対応できるのではないかと期待されている仮想通貨です。

はたして、その潜在能力はどのくらいのものなのでしょうか。

ダッシュ(DASH)とは

ダッシュは、もともとはXCoinという名前で20141月に誕生しました。

その後名前を変えてダークコイン(Drkcoin)を経てダッシュとなりましたが、この通貨の重要な特徴は、即時承認と匿名性にあります。

また、マイニングにマスターノードという仕組みを導入しており、この仕組みのおかげで、4秒以内という圧倒的な承認速度を実現しているのです。

2018428日現在のダッシュの時価総額は仮想通貨全体の13位。

日本の取引所ではcoincheckが扱っていましたが、現在では取引を行うには海外の取引所を利用することになります。

ダッシュ(DASH)のチャート・値動き

まずは、ダッシュのチャートの動きについてみていきましょう。

ダッシュは20141月に、約950円からスタートしましたが、2017年に入るまであまり動きを見せませんでした。

しかし、2017年に入ると大きく注目され、ほとんどの仮想通貨が最高値を付けた12月中旬には1ダッシュ=18.4万円まで上り詰めました。

4年間で、200倍近くになったという計算になります。

また、実はDASHは現在の時価総額は13位となっていますが、一時期は6位前後まで上がったこともある通貨です。

潜在的な能力や期待は非常に大きいといえるでしょう。

2017年の3月に値が上がっている理由は、AlphaBayというインターネットのアンダーグラウンドサイトで決済通貨として利用できるという点でした。

今後、DASHはその即時性から様々な少額決済手段として利用が促進されると期待されています。

また、ジンバブエの通貨スリップを緩和するために、仮想通貨のDASHとジンバブエの法定通貨の交換が計画されています。

このように、徐々に需要が増えることを期待できる仮想通貨となっているのです。

ダッシュ(DASH)のここがスゴイ!

取引追跡が出来ずプライバシーが守られる

ダッシュの前身であるDarkcoinは、その匿名性の高さからつけられた名前です。

ダッシュの匿名性に使われている仕組みをコインジョイン(CoinJoin)といいます。

ビットコインに導入されているブロックチェーンは、その仕組み上、取引履歴などがすべて公開されているため、「どのアドレスがどのアドレスに送金したか?」を確認することが出来ます。

もちろん、ここでいうアドレスは暗号化されているものであり、直接的にプレイヤーを断定できるものではありません。

しかし、アドレスと個人を結び付けるようなデータや情報が流出してしまった際に、仮想通貨そのもの保有量などがわかってしまう可能性は0ではないのです。

こうしたアドレスを「11」で確認できてしまう仕組みを改善したのがコインジョイン(CoinJoin)といえるでしょう。

コインジョインでは、仮想通貨を送る側と受け取る側の間に一度プールするための空間を作ります。

例えば、ABCというプレイヤーがそれぞれ、50ダッシュ・100ダッシュ・150ダッシュをDというプレイヤーに送金したとしましょう。

すると、Dには合わせて300ダッシュを受け取ったという情報のみが記録され、誰が50ダッシュ送り、誰が100ダッシュ送ったかわかりません。

さらに言えば、この300ダッシュが何人の人間からどのような分配で送られたのか全く分からない仕組みになっています。

結果として、ダッシュのブロックチェーンを確認しても、誰がどのくらいどこに送ったのかはわからず、ただDの口座におけるダッシュが300増えたということだけがわかるようになっているのです。

超高速で取引が可能

ビットコインでは、取引の承認は10分ごとに行われています。

これは、その取引が正当なものであったかどうかを確認する方法を10分ごとにまとめて行っているためです。

ビットコインのブロックチェーンを模した仮想通貨の多くはこの10分という制限に縛られがちですが、ダッシュはこの問題をマスターノード(Masternode)という技術を利用することで取引承認速度4秒以内という超高速での取引を可能にしました。

マスターノードとは、取引が正当なものであるかを確認するためのコンピュータを予め制限しておくという仕組みです。

ブロックチェーンにおける履歴が正当なものであるかを決める仕組みをマイニングと呼びますが、ビットコインではこのマイニングに全てのプレイヤーが参加できる仕組みになっています。

そのため、まず履歴を確認するコンピュータを選別するため数学的な問題を参加するすべてのコンピュータに解かせ、最も早く答えにたどり着いたコンピュータを選別するという手順を踏みます。

しかし、マスターノードではあらかじめ、このマイニング競争に参加するコンピュータを限定しているのです。

結果として、最初のコンピュータを選別するという行為を非常に短時間で終わらせることが出来るため、承認速度4秒以下という超高速なマイニングを可能としています。

例えば、以下ではDASHを利用した自動販売機の仕組みが実験されている様子が見て取れます。

ダッシュ(DASH)の課題とリスク

ダッシュの課題は、ダッシュの特徴の裏返しといえるものです。

果たして匿名性と超高速な取引にはどのような課題があるのでしょうか。

ダークウェブでの利用

インターネットの世界において、匿名性とはプライバシーの保護という観点がありますが同時に、画面の先にいる相手の人間がどのような人間であるのか、誰であるのかがわからないという問題と隣り合わせです。

コミュニケーションをとったり商品をやり取りしていく中で培われた信頼性の先にいる人間が、もしかしたら犯罪者であったり国際的な指名手配犯である可能性は0ではありません。

匿名性に優れたダッシュが抱える一つ目のリスクは、犯罪者や国際的なテロ集団のマネーロンダリングに活用されたときに、資金の動きを追いきれないという点です。

例えば、2018126日に起こったコインチェックのネム強奪事件ですが、あの強奪されたネムも、結局匿名性の高い仮想通貨へ交換されてしまったために、現金化に成功できてしまったのではないかといわれています。

仮想通貨取引所ではマネーロンダリングに関する一定のガイドラインなどが設けられていますが、それだけで100%防げるかといわれると非常に難しいでしょう。

また、日本の金融庁においては、今後匿名性の高い通貨を取扱禁止とするような動きもあり、このような動きが広がれば規制により価格を下げることも考えられるでしょう。

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マスターノードへの権限集中の懸念

ダッシュのマイニングはマスターノードが握っていますが、マスターノードには誰もが慣れるというわけではありません。

1000DASH以上を担保

・専用のIPアドレスを取得

24時間端末を稼働し続ける

この3つの条件をクリアする必要があります。

こうした条件をクリアしたマスターノードは、DASHの価値が落ちてしまうと非常に困ってしまうため、全力でDASHの価値向上に努めるでしょう。

この行動が善意に基づくものであれば問題はありませんが、マスターノードたちが暴走を始めたときにはどうなってしまうのでしょうか。この問いには誰も答えられません。

マスターノードへの権限集中の結果、二重支払いや過剰なマネーロンダリングなど思わぬ事態になってしまう可能性は否定できないのです。

 

まとめ

ダッシュは匿名性と即時性に長けた、小売りシーンの少額支払いなどに可能性のある仮想通貨のひとつです。

ジンバブエなどの現実的な取引にも影響を与え出しています。

しかし、匿名性や即時性に対するリスクも同時に背負っています。

果たして、今後ダッシュはどのような発展を見せていくのでしょうか。

 

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